歯のトピックス

■ご存じですが?「8020運動」

歯科医師会では80歳になっても自分の歯を20本以上残そうという8020運動を展開しています。何でも満足に食べられるには、咬める自分の歯が20本以上必要です。


■80歳でわずか4本・・・

日本人の平均寿命はここ30年間で男女とも約10歳延びていますが、歯の寿命はほとんど延びておらず、75歳を過ぎると4人中3人がほとんど歯がなくなります。しかし、現実には55歳以上になると歯を失う率は急激に高くなり、80歳ではわずか4本しか残っていないという情けない状態です。

■歯周病は歯を失う最大原因

歯を失う原因としては、まずむし歯を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、実際はむし歯と歯周病が半々で、ほとんど差がありません。若い人はむし歯が原因の場合が多いですが、年齢が高くなるにしたがって歯周病が増えていきます。40歳以上の中高年世代は、ほとんどの人が歯周病が原因で歯を失っています。             

■25歳以上の約8割はすでに歯周病

歯周病は、歯についたプラーク、つまり歯垢の中にいる歯周病菌が、歯を支えている周りの組織をじわじわと壊していく病気です。

ひと昔前までは「30歳代からの病気」といわれていましたが、最近は発病年齢が低年齢化する傾向があり、5~14歳の子供の約4割が歯周病という報告があります。

25歳以上の大人では、約8割が歯周病に侵されています。だから自分には関係ないと思っている人も、歯周病にかかっていないか疑ってみたほうが賢明です。

■歯周病予防はこれだ

○プラークコントロール

○禁煙 節煙

○充分な睡眠

○少なくと年1回の定期検診

○歯石除去

○ストレス、過労を避ける

○健康な食生活

     

■むし歯予防はこれだ

○プラークコントロール

○フッ素物対応

○規則的、健康的な食生活

○少なくとも年に1回の定期検診  

■女性の方はご注意を

生理、妊娠、更年期と女性は生涯を通じて変化を経験します。歯肉も女性ホルモンの影響を受けることが分かっています。生理の前に歯肉の炎症は強くなり、生理とともにおさまります。さらに妊娠中の歯肉は歯垢などの汚れに対しとても敏感になります。また、更年期には、ホルモンの変化のため、歯周病にもかかりやすくなります。妊娠前、更年期を迎える前までに歯肉をきちんと健康な状態にしておきましょう。     

お口のセルフチェック

■歯ぐきの健康チェック

現在のお口の中の状態について、該当するものの項目の点数を合計して、自分でチェックしてみてください

なんとなく歯ぐきがむずがゆい感じがする5点

朝起きたときに口の中がネバネバする5点

自分の口臭が気になる時がある5点

歯を磨く時やりんごをかじった時に血が出ることがある10点

冷たい水や熱いお茶などが歯ぐきにしみる時がある10点

歯と歯の間にものがよくはさまる
10点

歯石がたまっている
15点

人から口臭がすると言われる
15点

疲れたときに、むし歯でもないのに歯が浮いた感じになる
15点

歯がグラグラして、食べ物がかみにくい
30点

歯ぐきが腫れ、うみが出て時々痛むこともある
30点

点数

判定結果

0~10

あなたの歯ぐきはほぼ健康と思われます

上手な歯磨きを続けましょう

15~25

あなたの歯ぐきは要注意です

いちど歯科医院を受診しましょう

30~

歯周病の可能性があります

歯科医院で治療しましょう

■歯の健康チェック

むし歯や歯周病などの歯・歯ぐきの病気はありませんか?


むし歯や歯周病があれば、食べ物がよく噛めず、おいしく食べられません。早めに治療しましょう。
歯を抜いたまま放置していませんか?

抜いたままにしておくと、歯並びが悪くなるばかりか、さまざまな弊害がおこります。早く治療を受けましょう。
入れ歯はぴったりと合っていますか?

入れ歯は一生モノではありません。年数が経つと合わなくなってきます。すすんで歯医者さんに調整してもらいましょう。
咬み合わせは正常ですか?

咬み合わせが悪いと、そしゃく力が低下するので、胃腸障害を起こしやすくなったり、様々な障害が起こります。いちど歯医者さんに相談しましょう。
毎日ていねいに歯を磨いていますか?

むし歯や歯周病の予防には歯磨きが一番です。1日1回は時間をかけて隅々まで丁寧にみがきましょう。
ストレスはたまっていませんか?

ストレスがたまると唾液が粘着性を増し、口の中はバイ菌が繁殖しやすい環境になります。適度に発散しましょう。
バランスのとれた食生活を送っていますか?

バランスよく食べることは健康の基本です。歯にとっても同じこと。偏らずに、いろいろな食品を食べるように心がけましょう。
定期的に歯の健康診断を受けていますか?

異常を感じなくても歯の病気は知らず知らずのうちにかなり進行している場合があります。かかりつけ歯科医師(ホームドクター)を作って定期検診を受けるようにしましょう。